『nusic books』の第2回目制作始動

インターネットラジオ『nusic books』の第2回目の制作に入りました(第1回は6/16参照)。奥成、クマガイ両氏に電話をした。来週、奥成達さんの家で収録予定。2回目のテーマは「海辺本」。メインの本は、石原慎太郎の『太陽の季節』。
都知事の慎太郎ではない、海辺の街の小説家・石原慎太郎を話していきます。逗子東映のナイトショーの際、奥成さんが映画館の座席で出会う慎太郎の姿。その時、上映されていた映画はなんだったかといった、まあ、些末な話になると思うのですが……。
それから『太陽の季節』をベースに、不良と海辺、兄弟文学/兄弟ロック、さらに海辺に関する本へと展開しようと思って……。


昨日、葉山図書館で『石原慎太郎短編全集』第一巻(新潮社)を借りてきた。『太陽の季節』の他に『ファンキー・ジャンプ』が入っているからです。ジャズを演奏するミュージシャンの姿を非常に独特な文章で描写していく小説で、多分、奥成さんが話題にすると思ったからなのだった。

「Don't walk on the cat side」について

そうだ、音楽。番組のジングルを作っていただいた、OKIDOKIの「Don't walk on the cat side」(BAKAMO RECORDS)を送ってもらった。ありがとうございます。

音で人の頭の中を汚さない、リズムで人の体をもっていかない。しかし孤立しないで複数で演奏する。そういった音楽を構想すると、ある音質を共有した少数の音楽家仲間たちとの即興が方法として選びとられると思う。それを生演奏ではなくて、CDにパッケージして、人の家に運びいれていくには、人のテリトリーを乱さないという、音楽家にとってはやや難しい配慮が必要になる。しかし、その配慮をもった作業が貫徹されなければ、先述した方向性を目指す即興音楽のパッケージ化は意味を失ってしまう。このアルバムは、その作業の工程をしっかり通って私の家に運ばれてきたことがわかる。
「Don't walk on the cat side」にはタイトル通りの倫理観があり、聞く者はそれぞれの確保した道を歩いていける(具体的にはこの音楽を流すオーディオ装置周辺の清浄な空気。これは大切な指標だ)。猫道というくらいだからそれは繊細だ。その細いがどこへでも遠くへいく道筋を、臼井のギター音がシャープに示すところが最高の聞きどころかな。


さて、『nusic books』である。自分がもっていく本は何にしようか? 藤田敏八の映画に出てくる、少し情けない海辺(「赤ちょうちん」や「妹」なんか)について話をしたいのだけれど、このあたりのことを語れる本なんてあるのだろうか。そうだ、新しくなった逗子図書館に今日でも行ってみよう。