「EASTERN CABARET WORLD」2日目

「EASTERN CABARET WORLD」2日目を見に渋谷のエッグマンに行ってきました。
TRABANDもTOKYOのオーディエンスに慣れたのか、演奏が伸びやかになってきた。クレズマー独特の伸縮自在の音楽空間を広げだしてきた。このままいけば最終日あたりはTOKYO CABARET BANDとして最高の演奏をしているだろう。


今日の対バンのラインナップは、クレズマー音楽がもつ演劇的な展開ということか、くものすカルテットと日比谷カタンが登場した。特にくものすカルテットの音楽家たちの演技的な演奏(猫のメーク、芸能的笑顔、猫の着ぐるみ、鈴木翁二をイメージさせる音の質感)は、この音楽がもつ「偽装」とか「擬態」とかいった性質を強く思わせるものだった。あるものの考え方を隠して生きる事、危険を感じたら自分の方でショーを早め、さっさと逃げること。そのようなことができる道具としての音楽クレズマー。

ライブ情報
http://www.bigstream.co.jp/index2.html

考えてみれば、私は、10代の頃から日劇ミュージックホールに行き、20代の頃はあのベルリン・キャバレー文化研究の平井正先生から、さまざまなキャバレー音楽を聞かせてもらっていたのだった。TOKYOのクレズマーは、まだこの都市で、記憶がなんとか生きているミュージックホール文化や、平井先生の資料に繋がっているのだろうか。そんなことも思ったりした。


さあ、今日も海辺の街に帰ろう。ということで、電車に乗った。また『ソーネチカ』を読む。このロシアの小説と日本の女たちとの出会いが気になる。ここには、何かとても素敵な「接合」がある。