2007-01-01から1年間の記事一覧

今年最後の日記

恒例の暮れの築地の仕事(四日間だったけれど)を終えた。これから数日だけど休めそうだ。朝5時半くらいから栗きんとんを売りつつ、書店からのポストカード追加注文への対応をこなし、市場近くのカフェで自分が書いた記事が載っている雑誌を読んで休憩し、夜…

「小説に出ている」と松山巌さんがいった

少し前、文筆家の松山巌さんとお会いして、喫茶店で話をしていたら「自分が出ている小説がある」という。私は「おおーっ」と思った。 たまたま久世光彦さんの話になり、いくつかのエピソードを松山さんが語られ、そのうちに「自分が出ている小説」という話に…

11月から12月へ。言葉と作業

仕事で昔の「平凡パンチ」や「POCKETパンチOh!」を読んでいる。 小中陽太郎の対談シリーズなど。そしてストリップショーに出演していた東てる美へのインタビュー。 「Q■すると、そのときは恥ずかしさが圧倒的だったわけだ。脱ぐこと即ち身も心も見られたって…

火曜日から金曜日までの思い出

火曜日夜、写真家の中里和人さんと会う。話をしたいことがあった。映画『十六歳の戦争」(松本俊夫監督)のDVD貸してくれる。下田逸郎主演。昨年、中里さんたちと車で新潟や能登、丹後をまわった時、車で下田逸郎の唄をずっとかけていたんだ。 水曜日昼、東…

お勧めしたいもの

中年男の体にユーミンが憑依する。そのコンセプトで唄い出したという噂の、細馬宏通氏(『浅草十二階塔の眺めと〈近代〉のまなざし』を青土社から出したあの方)。彼のバンド、「かえる目」がアルバム「主観」(compare notes(map))を発表した。まだ、この…

映画「パンズ・ラビリンス」と地下世界の言葉

先日、川崎チネチッタで映画「パンズ・ラビリンス」(ギレルモ・デル・トロ監督)を見た。夏からずっと見たいと思ってきた映画であった。予告編を見た時に、これは映画の構造として好きになれるなと直感したからだ。私のフィルム・ベストワンは、ジュリアン…

大阪へ行ってきた

ここ数日、大阪へ行ってきた。いくつかの用事をするため、書店、ギャラリー、カフェなどにいった。大阪の書店を見ながらいくつか感じたことがあります。その一つに、ヤン・シュヴァンクマイエルは確実にマイナーから一歩踏み出していったということ。彼専用…

仕事について

友人の画家、出口雄大の『水彩学』は、大きな刺激となりました。 彼の父なるものの歴史の肯定、それに立って絵を描きつづけるという姿勢は、非常にインパクトをもって受けとれました。 出口の歴史肯定の仕方に関しては、様々にいいたいことがあり、 その思い…

『水彩学』について

友人の画家、出口雄大が『水彩学』(東京書籍)という本を発表した。一読して思ったことは、「男前の本じゃのう」ということだった。 この本は、職業的には水彩画のイラストレーターである出口が、今、巷で人気が出てきた水彩画を教えるというもの。水彩に関…

カット割、葉の重なりの膨大なヴァリエーションを利用して写真を繋げる

また渋谷に行って映画「サッドヴァケーション」を見てきた。 再度見た理由はふたつ。 まず、映画館を巨大なスナックのカウンターにして、視線ごと酔いつぶれたかったから。一回見て、視覚のアル中は、演歌を有線でリクエストするようにこの映画を2回見れると…

本屋さんで、もし見たら

読売新聞社発行の出版マーケティングレポート『本のとびら』09号が出た。 3つの出版社へのインタビューを行なっています。 「仮説実験授業」という独自の教え方を提唱している教育書出版の仮説社。 ブランドの広告を載せている雑誌はあまたありますが、それ…

シュヴァンクマイエル展店員日記(4)

シュヴァンクマイエル展は、最終日に近づくにつれ、来てくれる人たちの数は増えていった。売店の売り上げもかなりいき、私のレジ打ちの技術も向上していった。そんな中でも何人かの人たちと話すことができた。とても素敵な雰囲気の高齢の女性はロンドンでバ…

シュヴァンクマイエル展店員日記(3)

8/31(金曜日)火水木と休んで、本日、売り子となる。 シュヴァンクマイエル展の物販、主なものを紹介しておこう。 ●DVDでは、 『アリス』、『短篇集』、『ファウスト』、『オテサーネク』、『悦楽共犯者』など。 ●書籍では、 『図録』、『人間椅子』、『夜…

シュヴァンクマイエル展の図録について

今回ラフォーレ原宿で行なっている、シュヴァンクマイエル展の図録の紹介をしときます。 目次はこうなってます。 展覧会へのメッセージ……ヤン・シュヴァンクマイエル 6 不思議の国のアリス……ヤン・シュヴァンクマイエル 10 夢……エヴァ・シュヴァンクマイエロ…

お別れ会とゴスロリ学習

実は8月28日の火曜日、午後8時より、代々木八幡某韓国料理店でシュヴァンクマイエル氏とのお別れパーティーがあったのだった。チェコシュルレアリストを囲み、煙をたてながら焼き肉を食べた。チェコでは20代のシュルレアリストもおり、それなりに活発に動い…

シュヴァンクマイエル展店員日記(2)

8/27(月曜日)早朝6時に起きて、図録用のポップを作る。それと日報を作る。Excelのことをよく知らないので、昨日はひとつの表組を作るのに1時間もかかってしまった。そんなことにならないように注意して作成。昨夜校正したゲラ、担当者にFAX。そしてこのbl…

シュヴァンクマイエル展店員日記

8/25(土曜日)開館前のラフォーレ原宿。午前10時過ぎの時点で建物前には長蛇の列。本日のシュヴァンクマイエル、サイン会整理券獲得のために、ファンの方多数並んでくださっているのである。ありがたい。 エスクァイアやコロンビアの方たちと、ばたばた動い…

シュヴァンクマイエル展、あと少し

8月23日、ラフォーレ・ミュージアムに行って、「ヤン&エヴァ シュヴァンクマイエル展」の仕込みを見てきた。 運送会社の作業員たちが交錯する会場に入ると、 ちょうど木箱から映画『アリス』のうさぎのぬいぐるみが取り出されているところ。 そいつはじっと…

店員への道を歩き続ける

店員への道を歩き続ける。レジを手に入れ、レジ打ち練習。ラフォーレ原宿のシュヴァンクマイエル展まであと1週間。 電車に乗る。東京ビックサイトで行なわれていたコミケの人々と遭遇。アリの巣を発見しにいくようにその行列を逆に辿っていく。広大な会場に…

店員へと歩き出す

シュヴァンクマイエル展。ラフォーレでの展覧会では、売店の店員として何度か働く形になってきた。スケジュール的には厳しいのだけれど、まあ……、何日か店番をするはず。 図録編集をした人間ではなく展覧会場の店員として考える。神奈川県立近代美術館葉山館…

常に蛇行しているFAX紙

このチェコのシュルレアリストの図録制作終わるあたりから、ある雑誌のために、私が選んだ独自路線を歩む3つの出版社へのインタビューを始めている。先週は独自の実験教育を行なうK社にいってきた。教育関係の方はお分かりであろう。会ってよかったです。独…

『20世紀少年』をずらりと並べて

シュヴァンクマイエル展図録、念校を見ることになった。それはそうである。けっこうアカいれたもの。それぞれ関係者に連絡。まだ終わらないのですね。 仕事の合間に読み継いできた浦沢直樹の『20世紀少年』(小学館)を茶の間の箪笥の上に、23冊ずらりと並べ…

水上生活者/舟小屋/『きみは金色の雨になる』

7月22日(日曜日)の東京新聞の連載「東京慕情」で水上小学校のことが取り上げられていました。 水上小学校とは、水上生活者の子弟のための小学校のこと。 それで思い出したのですが、今出ている『CONFORT』(建築資料研究社)で私は、このBLOGでも何度かと…

イリヤ・カバコフの絵本、そしてボリス・グロイス

今回の図録で執筆をしてもらっているロシア人美術研究ロディ・オンが、図録のために、イリヤ・カバコフの作品写真掲載の許可をもらう動きをしてくれた。幸い、作家と連絡がとれて許諾された。9月、葉山の近代美術館で、カバコフが描いてきた絵本やその原画を…

「ヤン&エヴァ シュヴァンクマイエル展」

一月前なので告知しよう。 8月25日からラフォーレ原宿で 「ヤン&エヴァ シュヴァンクマイエル展 アリス、あるいは快楽原則」 という展覧会が開かれます。 この展覧会、独特な会になるのではないか。ゴスロリ、美容業界(けっこうファンは多く、業界誌でも今…

写真を持って歩く/スープとバウハウス

チェコの某作家図録製作の仕事は、あるところで落ち着いた。 後は確実に着々と実行するだけである。ポートレート使用のため、額縁入り写真を借りて、東京・渋谷の歓楽街を歩く。その1週間前は亡父の法事のため、遺影をもって東京を歩いた。原告団の中に遺影…

江の電沿線/渡邊直樹編集本/TRABAND

その言葉を読んだ時、ある情景が鮮明に脳裏に甦ってきた。 キリスト教文書センターが出している冊子「本のひろば」増刊号2007が、1冊まるごと読書アンケート特集をしている。 「2006年に読まれたキリスト教関係の本で、興味を感じたもの、読者に推薦したいも…

「週刊現代」に登場した「→」マーク/伊丹十三記念館の図録、実は文庫本サイズなのです

「週刊現代」、ADが岡本一宣氏に変わっていたのですね。 たとえば今週号の表紙。写真の女性(黒木メイサ)の額にかぶさるように下りてきているパープルのロゴ。その下の鋭い目。黒字をバックに浮き出た女性の頬の肌色のラインに沿って流れていくスクープのタ…

船で暮らすこと

4月30日。午前8時前、東京湾に流れ込む京浜運河に浮かぶ船の上にいる。場所はモノレール大井競馬場駅近く。 船は、水辺ワークショップグループBOATPEOPLE Associationのバージ船L.O.B.13号。 大きな貨物船から荷物を運び陸揚げするために活躍するバージ船を…

歩いていく/ナレイションがかぶさってくる/ロックを鳴らす

家から徳富蘇峰の庭を抜けて戸越銀座を目指す。 よい神社空間を発見。その社殿の前に立つなり頭が伊丹十三+テレビマンユニオンに切り替わり、70年代『遠くへ行きたい』となっていく。米軍放出品の服まとって少し古風な文体のナレーションという主体となって…