「ヤン&エヴァ シュヴァンクマイエル展」

一月前なので告知しよう。
8月25日からラフォーレ原宿
「ヤン&エヴァ シュヴァンクマイエル展 アリス、あるいは快楽原則」
という展覧会が開かれます。


この展覧会、独特な会になるのではないか。ゴスロリ、美容業界(けっこうファンは多く、業界誌でも今展覧会が注目されているとか)、各種デザイナーの人々、また原宿にはけっこう多い異装の方々が、夏のラフォーレ原宿に大挙して集まったりして。


シュヴァンクマイエルは、ラフォーレ原宿に行き、とてもこの空間を気に入ったらしい。と、展覧会主催者に聞いた。女の子の服がごちゃごちゃ詰まったこの館を、自分の作品を並べるにはぴったりだと思ったらしいのです。それで、ものすごい数の作品をもってくることになった。ラフォレーミュージアム原宿って、そんなに広くないので、女の子の服のごちゃごちゃと同じように、シュヴァンクマイヤー百科事典もレーニン、アリス、 シュルレアリスムメディウム・ドローイングもごちゃごちゃになるのだろう。


8月25日といえば、夏休みの終わり。最後の刺激を求めている少年少女も多いでしょう。
このチェコシュルレアリスムの御大は、今回の展覧会に寄せてこういっています。


「この迷宮の中心にあるのは、
幼少期の抵抗のシンボルとしてのアリスである。
私たちがいるのは、おとぎ話ではない、
夢の中なのだ。つまりあらゆることが受け入れられ、
ありとあらゆることが許容される悪夢の中なのだ。
『現実原則』は、扉の先に追い出してしまった。
さあ、瞳を閉じて、足を踏み入れるがいい」
阿部賢一訳)
夏の終わり、遊びましょう。


それで、私はこの図録を作っていて、
やっと最終工程に入ったのだった。
激動の日々だった。
伊丹十三記念館の図録もハードだったが、これもハードでした。
と一息入れて、最後のダッシュです。
そして開催中は、何日か、図録や関連書籍の売り子をやろうと思ってるんだ。図録よろしく。


そうそう、同時に江戸川乱歩の『人間椅子』をシュヴァンクマイエルが作品化した本が出るのですが、これがとてもカワイイ。江戸川乱歩ですから、もっとおどろおどろしい世界になるのではと思っていたのですが、日本に届いた作品は、うわあ、ラフォーレ原宿前の少女たちにぴったりではないか。どうしたんだろ? これも、楽しみにしていて下さい。