2006-11-01から1ヶ月間の記事一覧

樹木である仏像

先日、東京国立博物館で「仏像ー木にこめられた祈り」展を見てきました。奈良・平安時代から江戸時代くらいまでの木造の仏像を見せていくものです。興味深いのは、常にそれが樹木であることを意識させる展示の仕方でした。あからさまなものではありませんで…

中里和人さんと、時速100キロの車の中で話すと、起こること

新潟や石川県にある漁村を巡る旅をしてきた。 3日間の旅、その前の週の3日間の旅によって、なんか眼力がついた。 駅のホームで読んでいる文庫本の活字とホームの表面が同時にはっきり見える。 電車の中にいる若い女の顔を威厳ある顔として見ている。 前の日…

保坂和志さんの本に、自分が登場してしまうことで、起こること

友人Tから保坂和志さんの本に「ワタナベさんが出ているよ」といわれていて、ちょっと忙しく、なかなか読めなかったのだが、やっと『小説の誕生』(新潮社)を手にいれたのである。 確かに出ている。「私の延長は私のような形をしていない」という章。 「先日…

カーブを曲がって漁村へ、地平をはがして魯文へ

先週は若狭の漁村をめぐる取材旅行をしてきた。 道が右にカーブしていく写真と、そことはまったく異なる道路の左カーブの写真を並べた見開きページが続く写真集『R』(冬青社)。その本を最近出版したばかりの写真家、中里和人さんらとの旅。 断崖絶壁。曲が…