2006-01-01から1年間の記事一覧

築地/ばあちゃん

今年も歳末恒例の築地労働週間だった。 西本願寺の奇怪な建物を見ながら、きんとんや黒豆を売ってきたのである。 兄のニャンコ先生(一部ではそうあだ名されている)と一緒に声を張り上げ売ってきたよ。 昔は栗きんとんは、1キロ缶が飛ぶように売れ、500グラ…

山王草堂/ブックス丘/他者が見た夢を、もう一度語り直すこと

この1ヶ月の間は、けっこう家に閉じこもって原稿を書いていたのだけど、そういう時は、2時間くらい家を出て散歩していた。 まず道を渡ってほんの少しのところに徳富蘇峰が住んでいた山王草堂の庭を公園にしている小さなスペースがあるので、そこでぼんやり…

校正闇討ち事件/薩摩藩VS佐賀藩VS長州藩

このプロジェクトの女性たちがまた驚くべき人たちで、夜遅くまで、幕末、イギリスへ密留学した長州ファイブのことや、日本で初めての工業コンビナートともいうべき施設を造った島津斉彬について語るのだが、それが熱いのである。頭がクラクラしてきた。 昨日…

三漁洞/『宝島』/吉田松陰

日本海沿岸のある建築群についての原稿をなんとか入れて、一段落はついた。あとは写真キャプションを入れていくだけだ。そのパンフレットのデザイナーは、祖父江慎さん。楽しみだ。INAXギャラリー用のパンフレット。昨日は、INAXの方々たちと、渋谷の居酒屋…

樹木である仏像

先日、東京国立博物館で「仏像ー木にこめられた祈り」展を見てきました。奈良・平安時代から江戸時代くらいまでの木造の仏像を見せていくものです。興味深いのは、常にそれが樹木であることを意識させる展示の仕方でした。あからさまなものではありませんで…

中里和人さんと、時速100キロの車の中で話すと、起こること

新潟や石川県にある漁村を巡る旅をしてきた。 3日間の旅、その前の週の3日間の旅によって、なんか眼力がついた。 駅のホームで読んでいる文庫本の活字とホームの表面が同時にはっきり見える。 電車の中にいる若い女の顔を威厳ある顔として見ている。 前の日…

保坂和志さんの本に、自分が登場してしまうことで、起こること

友人Tから保坂和志さんの本に「ワタナベさんが出ているよ」といわれていて、ちょっと忙しく、なかなか読めなかったのだが、やっと『小説の誕生』(新潮社)を手にいれたのである。 確かに出ている。「私の延長は私のような形をしていない」という章。 「先日…

カーブを曲がって漁村へ、地平をはがして魯文へ

先週は若狭の漁村をめぐる取材旅行をしてきた。 道が右にカーブしていく写真と、そことはまったく異なる道路の左カーブの写真を並べた見開きページが続く写真集『R』(冬青社)。その本を最近出版したばかりの写真家、中里和人さんらとの旅。 断崖絶壁。曲が…

名古屋と昭和時代のモノ

21日の土曜日、名古屋芸術大学で、講義をしてきました。 「『海の家スペース』を通して『都市』を見ていく」。 「海辺の歴史」「サイクルを描く時間」「空間の転用という」など、いくつかのテーマにわけて、かなり細かく話をしてきました。 セッティングして…

プリ/東京移転/『路上派遊書日記』

サムルノリの流れを汲むバンドでありながら、パーカッションバンドから離れていき、 韓国の伝統音楽の現代的な展開を試みている音楽グループ「プリ」。 彼らは、今月末に来日し、東京と大阪で公演を行なう。 グループの中心人物、ウォン・イルに、ガイナック…

ミュージックマガジンと王立宇宙軍

お知らせするのが、遅れてしまったけれど、今月号の『ミュージックマガジン』に「海の家の音楽」についての記事を書いています。表紙はフリッパーズ・ギター。トム・ペティ、アルゼンチン音響派、パール兄弟の記事などが載っている。少年時代の憧れの雑誌で…

海辺の美術館でpod-walk

海辺の美術館「神奈川県立近代美術館葉山」を空間として楽しむためのラジオ番組を作りました。 聞いてみて下さい。 インターネットラジオnusic http://nusic.net (「美術館で散歩」の文章の「この続きを読む』をクリックすると長いテクストと地図が出てきま…

四国の海の家や海の家ヅクリなどについて

構成・執筆させてもらった四国の海の家についての記事が載っている 雑誌『Memo』9月号(ワールド・フォト・プレス)が昨日発売された。 昨年、日大理工学部海洋建築工学科の畔柳研究室の三木誠さんらが行なった 四国の海の家調査と、よく組んで仕事をしてい…

いくつかの海の家に関すること

今日は腰越の海の家「KULA」で、『海の家スタディーズ」の共著者である畔柳昭雄教授と一緒に新聞社Aの取材を受ける。畔柳教授は新聞社Bや放送局Cから、あの本を読んだ制作者から取材を受けているし、昨日は朝日新聞の書評欄で昨年出版の本にも関わらず本の紹…

平均年齢66.9歳の俳優たちの劇団

先日、彩の国さいたま芸術劇場に行った。 この劇場の芸術監督を務める蜷川幸雄さんは、今、公募で集まった平均年齢66.9歳の俳優たちで構成された劇団のプロジェクトを動かしている。 その取材をしたのだ。 ここでは詳しく書けないので、稽古場で経験した印象…

腰越海岸の海の家「KULA(クーラ)」

一昨年から、葉山地域でアルミ海の家を作ってきた畔柳昭雄教授と研究室、そしてSUSが、今年製作しているアルミ海の家は腰越海岸の「KULA(クーラ)」。オープンは7月15日。専用ビーチ付きの海の家、事前予約制、利用料金11000円/1名というもの。こういう営…

カルチュラル・タイフーンでのラジオについての報告

まずカルチュラル・タイフーンでのラジオに関する報告をしておきます。 7月1日のFMヨコトリの午後1時からの番組「拡大された建築に向かって」は、ゲストにみかんぐみ(曽我部昌史さん、嶋田洋平さん)を招いて話すというもの。 私は途中から参加したのだ…

カルチュラル・タイフーンでラジオ

カルチュラル・タイフーンで行なわれるFM ヨコトリのラジオに参加します。 私が放送をするのは、7月2日午後3時から行なわれる「自由ラジオ/スペース」という番組。80年代に下北沢で行なっていた下北沢ラジオホームランのメンバーとして、放送を行ないます。 …

「BankART桜荘」

横浜の初音町・黄金町・日の出町地区の売春街が警察・行政によってつぶされて、監視カメラ設置など、ある意味ですごい抑圧的な状況になっていた。ここにBankART1929が、運営団体となってオープンスペースと海外アーテイストの居住空間を作りだした。 みかん…

1995年からの10年間/小さな店の深い闇/『海のふた』と『仔羊の巣』

このところ、自分の中では、10年間のサイクルがひとめぐりしたなという気持がある。 阪神・淡路大震災と地下鉄サリン事件があった1995年、江ノ島の対岸となる片瀬海岸地域のアパートの一室を借りて、週末になると江ノ島や腰越の海岸で過ごすようになった。 …

藤浩志と海の家

筑前深江アーツキャンプ夏の陣というのがあって、 6/30〜7/2にかけて、 福岡県糸島郡二丈町深江海岸周辺で行なわれる。 http://www.geco.jp/fukae/2006summer/2006summer_program.htmlここで会場として海の家も使われるようだ。 このイベントに関わっている…

「青空駐車場」の「青空」に浮かぶオフィス

このbeach hut on the blogで何回か取り上げてきた、アルミ海の家を作ったアルミ構造材製造の会社SUSと、フィルカンパニーという会社が開発した「駐車場上部空間を利用したオフィス」というものを、先日見てきた。東京駅近くの八重洲ブックセンター裏の駐車…

blogのような小さなお店

流しや冷蔵庫を備えた一坪ほどの小型店舗ユニットが売り出されている。 ベイシティサービスという会社が開発した「壱坪繁盛」という小型店舗ユニットだ。室内には簡単な厨房機器や照明、電源類が付いていて販売価格は350〜450万円。食材や資材の仕入れルート…

カルチュラル・タイフーン/7.2ラジオ・ホームラン

今日は下北沢に行って、喫茶店「I」のマスターであるIさんに 7月2日のカルチュラル・タイフーンで行なう ラジオ・ホームランのラジオ出演依頼をした。 (店を宗教・政治などに利用されたくないとのことで 店名などは情宣では出さないようにといわれたので、…

紫外線/TAZ/フリーフード/VOL

久しぶりに批評家の粉川哲夫さんにお会いした。 海の家の話をしたら、ニュージーランドにて、紫外線でそうとう酷いめにあったらしく、紫外線のことはもっと注意した方がいいという。確かに海辺で紫外線問題は、もっともっと注意すべきことなんだろうが、この…

ポータブル・アーキテクチャーとポータブル・ミュージック

一昨日、インターネットラジオnusic用のテーマミュージックの録音を終えた。 作曲と演奏を依頼したのは、くちぶえ奏者の分山貴美子さん。 彼女は、サザンオールスターズのベーシスト関口和之さんのレコーディンやウクレレ・ピクニックに参加したり、なかなか…

カルチュラル・タイフーンに参加

昨年、横浜トリエンナーレでラジオをやっていた大榎淳やFMヨコトリのメンバーから誘われて、7月に行なわれるカルチュラル・タイフーンのイベントに参加することになった。 http://cultural-typhoon.org/ カルチュラル・タイフーンは,カルチュラル・スタディ…

ムーンライダーズを描写すること

そこで思い出したのだが、「ムーンライダーズ30周年記念」を特集をしているということで、久しぶりに『MUSIC MAGAZINE」(6月号)を買った。行けなかった4月30日の日比谷野音で行なわれた30周年記念コンサートVintage Moon Festivalについての書かれている…

宮城まり子をアルトマンの映画のように読んでいく

その方から『マスコミ文化』1975年5月号を借りた。 そこに載っていた1974年の上半期の週刊誌の発行部数。 女性自身 67万部 週刊ポスト 66万部 週刊新潮65万部 週刊現代64万部 平凡パンチ63万部 主な週刊誌編集長の座談会が載っていた。 この号にとても印象に…

戦後週刊誌を支えていた「まったく字も書けないような連中」について

先日、横浜の中華街で、女性セブンや週刊ポストの編集に関わっていた方とお会いし、お話を聞くことができた。 「プロ野球黒い霧事件」に関わるまるでスパイ大作戦のような話や、「芸能人相姦図」をめぐるさまざまな動きなどを知ることができた。 球界の権益…