三漁洞/『宝島』/吉田松陰

日本海沿岸のある建築群についての原稿をなんとか入れて、一段落はついた。あとは写真キャプションを入れていくだけだ。そのパンフレットのデザイナーは、祖父江慎さん。楽しみだ。INAXギャラリー用のパンフレット。昨日は、INAXの方々たちと、渋谷の居酒屋で飲み会だった。明治の画家、青木繁の息子、福田蘭堂(作曲家)が開いた店、三漁洞。クレージーキャッツの石橋 エータローが引き継いだ店だ。店の片隅にシャボン玉ホリデーの写真が貼ってあった。ダンサーの顔を見ていく。私は、シャボン玉ホリデーにダンサーとして出ていた振り付け師の弟子を、若い頃していたことがあるんだよ。レビューが好きだったからね。しかし、先生の顔はなかった。


同時に他の会社で、九州と山口県の産業遺産に関するパンフレット作りをしている。そのために薩摩藩長州藩が建造した反射炉のことなどを調べていた日々だった。
そこで知ったこと。『宝島』で知られるイギリスの作家スチーヴンソンには『吉田寅次郎』という小説があるのだが、それは吉田松陰について書いている物語らしい。スチーヴンソンに吉田松陰のことを教えたのは、松下村塾吉田松陰の弟子、正木退蔵。彼は東京帝国大学の外人雇い教師を探すためにイギリスに渡る。そこで若い科学者ユーイングという人物を紹介される。正木とユーイングを引き合わせるために晩餐会が開かれたのだが、そこにスチーヴンソンも来ていたのだ。席上、正木は自分の先生である吉田松陰について熱く語る。その話にスチーヴンソンは感動し、吉田松陰をモデルにした物語を書いたのだという。なんか面白い話だ。


八幡製鉄の建造物の写真を集めるために、久しぶりに写真家・伊奈英次さんにお会いする。伊奈さんは相変わらずお元気。いつのまにか、巨大プリンター機器を駆使して仕事する写真家になっているのですね。すごい。