「週刊現代」に登場した「→」マーク/伊丹十三記念館の図録、実は文庫本サイズなのです

週刊現代」、ADが岡本一宣氏に変わっていたのですね。
たとえば今週号の表紙。写真の女性(黒木メイサ)の額にかぶさるように下りてきているパープルのロゴ。その下の鋭い目。黒字をバックに浮き出た女性の頬の肌色のラインに沿って流れていくスクープのタイトル文字。その文字列の中のパープルの「テレ朝」。パープルの文字同士が、モデルの白目のホワイトを磁場にして、置かれている構図。


廃刊となった「LIFE」の歴史的写真を組み合わせたグラビアページに登場する目を引く「→」マーク。少し大きめの「→」マークは記事の中にも使用され、ある時は写真の中に貼られ渦中の人物を指し示す。
あるいは読書ページの中でオススメの本を指す。武豊の連載コラムでは、タイトルスペースの区切りとなり、話題の競走馬の写真を示す。


これは、カーソルの「→」ではない。もっと生々しい記号だ。既に取材は行なわれていて、そこには情報は集められ並べられている。切って貼り込み、注意したい人物や事柄に付箋を付けていくように「→」が付けられる、その実践がぐいっと示されています。コンピュータ系の情報整理の仕方ではなく、新聞社の整理の仕方でもなく、どこか今までの週刊誌とも違った情報整理の仕方の兆し。


噂によれば、岡本氏は全ページ手掛けているとか。それも週刊誌編集者がデザイン事務所に来るという驚異の体制で……。岡本流情報戦始まったのですね。これから注目いたします。


昨日、15日、松山で伊丹十三記念館オープンしました。
同時に『伊丹十三記念館ガイドブック』という図録発売されました。
実はこれ、文庫本サイズなのであります。472ページ・4色。定価1300円+税。美術館や記念館の図録が文庫本サイズになっているって楽しいのではないか。できあがって手にしたら、すごくよい感じの手への収まり方なのでした。


それと実は、『映画「お葬式」シナリオ付き絵コンテノート』という本も、私たちは編集してしまいました。伊丹監督が映画『お葬式』撮影のために描いた絵コンテを全公開したもの。
これも文庫本サイズ。始まりから終わりまでの絵コンテですから、マンガのような感じもするし……それが文庫の小さなサイズで展開しますから、独特な感触のある本に仕上がっています。コタツに入ってごろごろしながら読んだら最高に楽しい気持になるのではないかしら。これは、休日ごろごろ文庫派には、たまらん質感だと思います。432ページ・1色、定価700円+税。
(2冊とも制作は伊丹十三記念館、今のところ記念館のみで発売です)


今、名古屋のINAXギャラリーで開かれている「舟小屋展」、東京はビルの改装のために行なわれないことになっていました。が、特別にINAX:GINZAで短期間ですが、夏の季節に、行なわれることになったようです。日時など決定しましたら、またここで発表します。
よかった。舟小屋、おもしろいんだから。東京や東京近辺の方々、楽しみにしていて下さい。