水上生活者/舟小屋/『きみは金色の雨になる』

7月22日(日曜日)の東京新聞の連載「東京慕情」で水上小学校のことが取り上げられていました。
上小学校とは、水上生活者の子弟のための小学校のこと。
それで思い出したのですが、今出ている『CONFORT』(建築資料研究社)で私は、このBLOGでも何度かとりあげているBOAT PEOPLEについてのレポートを書いています。そこで水上生活者だった人からお借りした当時の写真を2枚ほど掲載しています。雑誌などでは初めて公開されるものなので、水上生活者への興味ある方はチェックしてみて下さい。


それから、開催中の「舟小屋展」。
http://www.inax.co.jp/gallery/exhibition/detail/d_000906.html
中村茂樹(株式会社コミュニティ計画研究所)、畔柳昭雄(日本大学理工学部海洋建築工学科)両氏の舟小屋をテーマにした対談が8月2日に行なわれます。
http://www.inax.co.jp/culture/event/040_gallery/001011.html
日本海側漁村スペースに興味のある方はどうぞ!  私も顔を出そうと思っています。


本は読んでいます。つらいことが多かったので、がんがん読んでました。
光文社「古典新訳」文庫の『カラマーゾフの兄弟1』読み始めました。
この小説は2度目ですが、勢いあります。訳し方がどうということではなくて、本全体に勢いがあります。
最終巻の解説が素晴らしいという声が聞こえてきました。それが読めるまで頑張って読みます。


『きみは金色の雨になる』(山本賢蔵 平凡社)。
絵本の文章だけを破りとって構成したような小説。見ることのできない絵の純粋さが、読者に伝わってくる。
無垢な心をもった弟との生活を描いた物語。純真な心をもった人間と暮らし、80〜90年代を総括・粛正・神学論争・泥仕合に明け暮れた私には、とてもつらい内容。
著者はNHKテヘランプノンペン、パリ特派員などを経て、04年に退局した人。
ニュースを見ていると、ものすごく強烈なキャラクターの特派員に遭遇することがあります。ぜったい変人だと思える人。会いたいが会わない方がいいだろうと思える人。
この堅苦しい日本におきましては、「特派員好き」の人は、けっこう多いと思いますが、そのような趣味を持った人間の好奇心を満足させてくれる内容でもある。あ〜あ、やっぱり、これだけの少年時代を過ごしてきたんだ。とすると、あの特派員、駐在員のあの髪型、目つきは、このような過去があるのではないかと勝手に想像できる、新たな遊びも開発できる物語。


この物語にも「『現実原則』は、扉の外に追い出してしまった。
さあ、瞳を閉じて、足を踏み入れるがいい」という声が響いている。
遊ぶんだ!