チラシ、ミニコミ/大阪について

そのときもらったチラシ、ミニコミで気になったもの。

●GO! マグという劇団の「南紀州ハワイの娘ちゃん」というチラシ
http://ww.gomag-tv.com/
和歌山県南紀地方のバスガイドたちの「黒潮純情物語」なのだが、青春歌謡映画風のデザインがとてもよい。南紀白浜で撮影した写真も可愛い。芝居は大阪難波にある巨大宴会場「味園」で中華料理をとりながら見るディナーショーになっている。この会場、横浜方面に帰る直前にチェックしたのだが、すごい空間。大阪の歓楽街の底力というのだろうか、大阪方面の方、あのサウナの上と下にあるホテルの部屋のひとつひとつがバーになっているあの空間はいったい何なのですか? 芝居は見たかったのだが、見てしまうと、あの謎の空間で入り浸ってしまいそうなので、非想な決意で帰宅することにした。

大阪市文化振興事業実行委員会の「カルチャーポケット」という通信
関西で行われている映画や演劇、音楽など文化表現について、かなりつっこんでいるテクストが読める通信。2004年3/4月号の「受け継ぐ身体」という特集がよかった。特集といっても見開きの図表と1ページ分の解説文。


図表はここ100年である表現の流れを作り上げたダンサー(モダンダンスや舞踏、バレエなどの)たちが同心円の図のさまざまな場所に並んでいるもの。マーサ・グレアム イサドラ・ダンカン、カロリン・カールソン、マース・カニングハム、イリ・キリアン、土方巽などの名前をもつ人の記号が巨大な円のあちこちに立っている(円の広がりは現在からそのダンサーが踊っていた時代の時間の長さを示す)。


面白いと思ったのは、その同心円に中心に立つのが「自分」であることだ。その自分の人の形は、どのダンサーよりも大きい。自分がこのような図を作ることになったら、もしかしたら私はこういう仕事ができなかったと思う。有名ダンサーを系統図として結ぶだけのような図しか考えられなかったかもしれない。ダンサーの系統図を、「受け継ぐ身体」として「自分」を中心にしてデザインした、この編集部は偉い! 


この図があったせいか、なんばの駅前でテイッシュを配っているアンチャンの所作がどうも東京とは違ってみえてしまう。なんだか俺が中心なんだぜという顔と仕草なのだ。彼等を見ていて「世界の中心で、愛をさけぶ」というタイトルを思い出す。「受け継ぐ身体」図となんば駅前でテイッシュを配っているアンチャンの所作、そして「世界の中心で、愛をさけぶ」。こうした物事が隣接し闘争している都市が私にとっての大阪なのだった。