母とジュリエットが猫を抱えて家に入っていく

hi-ro2006-03-01


久しぶりに実家に行くと、母親が「最近、家にネズミが出る」という。ネズミとりを仕掛けたが捕まらない。猫を飼おうかと思うという。
ビデオ屋で借りてきた『トリコロール 青の愛』(監督・クシシュトフ・キェシロフスキ)を見ていると、主人公ジュリエット・ビノシュの部屋にもネズミが出てくる。彼女は怯える。そして、ジュリエットは下の階の住人に猫を借りにいく。


小さい頃から飼ってきた何匹もの猫のこと、思い出す。
昔、飼っていた猫をどうしても飼うことが出来なくなり、家から随分遠いところにある神社に兄が猫を捨てにいったことがあった。それから1週間後の夜、電灯を消して家族全員でテレビの『宇宙家族ロビンソン』を見ていた。季節は夏だったから、家は開けっ放しで薄暗がりに蚊取り線香の煙がたなびいていた。テレビを見ていると、突然、庭から、か細い猫の声がして、私たちはドラマのハッピーエンドの中に紛れ込んだ家族になって、猫を抱きしめたり、歓声を上げたり、涙ぐんだりしたのだった。


実家から戻ってメールチェック。
河上氏と行なう企画、OKになった。
私にとっては、鈴木慶一『火の玉ボーイとコモンマン』(新宿書房)以来の、「時代」を相手にした編集作業になる。けっこう手間のかかる作業をしていかなければいけない。でも、ずっと思い続けていた仕事だ。


写真は、先日大阪に行った時に撮影した梅田スカイビル。大好きな大好きな世界。