熊本/和歌山を巡るbeach hut tour2004#01

今週の水曜日は早朝に起きて、葉山に住む知り合いの家に行き、その人の85歳になる母親と一緒に羽田空港へ。そして熊本へと向かったのだった。
私は熊本にある大学で海の家に関する講演という用事があったのだったけれど、たまたまに八代から葉山に来ていたその方のことを知って、老婦人が飛行場でいろいろと手続きをするのも大変だろうということで、一緒に行くことにしたのだった。


老婦人はいろいろと好奇心旺盛な方で、UFOなどにも興味をもっているらしいのだが、離陸する時になって急に八代で銀色の巨大円盤を見た話をしだした。UFOの話などをしていると、ふと窓の外を覗いた老婦人が「大変だ」といいだす。あわてて外を見ると、飛行機の真下に富士山がある。富士山をこの角度で見ることはめずらしいのではないか。遠い惑星からやってきて85歳の老婦人と巨大円盤に乗っている私のようだった。


熊本の大学のデザイン科の学生たちに、「ニュースタイル海の家」の定義とその意味を語り、今までそのテーマで記事を発表してきた雑誌(『relax』、『Memo 』、『Title 』、『 X-knowledge HOME』など)を使いながら、あるスペースを人に伝達するための方法を語っていった。具体的に、どうしてこの写真や文字はその大きさなのか、それは自分が伝えたいことにおいて成功したことなのか失敗したことなのか、あるいは自分の意志と関係なくどんな意味をもってしまったかなどを語らせていただく。


この講演の目的は、ひとつはエデイトリアルデザインに学習に役立つような仕方で、ニュースタイル海の家を伝達していく具体的実践を見てもらうこと。もうひとつはニュースタイル海の家を、デザインしたい若者たちに伝えること。


天草あたりにそんな海の家があったら楽しいと思っているので、「ねえ、やってみなよ」と誘惑してみる。熊本アートポリスプロジェクトの影響だけではなく文化的な背景があると思うのだが、熊本エリアのスペースデザインってとてもいい、居酒屋、喫茶店、美容院、レストラン、見ているだけでも楽しいお店がけっこうある。この地域の人たちが作る様々な文化ムーブメントが交錯する海の家は、素晴らしいデザインのものなるだろう。熊本であった人たち、期待してますね。