造船所跡地にて

大阪の湾岸部、北加賀谷にある名村造船所跡地に行ってきた。
最近は造船所といった場所が、自分にとって身近な場所になってきているのか、必然的に自分が行くべき場所として、そこはあった。
広大な敷地に、船が停泊する施設、実寸で図面を床に描く製図室、低い蛍光灯の位地や、床に薄く残っている不可思議な線や曲線が独特な雰囲気を作り出している空間だ。川の向こうには、産業革命時に生まれた機械が時を経て異様に巨大化してしまったようなグロテスクな形をした鉄工所、それが夕方になっていくにつれどんどん美しくなっていく。


9月に「臨界の芸術論」というイベントがこの場所で行われる。
岡崎乾二郎などが出るシンポジウムや、ダムタイプのメンバーのパフォーマンス、クラブパーティなどの内容をもつ。とにかく、この巨大な造船所の跡地に集まり、30年間借りることのできるこの土地で何ができるか、人が出会い考えてみるというイベントである。


主催者の一人の方への取材と、その「臨界の芸術論」の記者会見があって参加したのだ。


夕方、クルージングに出た。
赤い火が燃える鉄工所が並ぶ水都・大阪の岸辺、少し上流へ登っていけば、その岸辺には大阪の一般生活者にはまったく知られていないホームレスの巨大なブルーテントの集落があるという。