チェコアニメ老嬢

さて、築地の売り子としての毎年の持続的楽しみは人間ウォッチングである。チェコアニメにでも出てきそうなキャラクターの老婆がずいぶん増えてきたなあ。多分60年前くらいの若い女性のファッションの要素の歴史的風化と、今までの日本の高齢者にはなかった肉体のデフォルメ(欧米風食生活による)によってもたらされたキャラクター化である。チェコアニメ好き兼カメラ少女という、現在美大系にありがちな人には、これからはとても楽しい時代かもしれない。よいスナップショットがたくさんとれるだろう。おつりを渡しながら、チェコアニメ老婆とは何人も話したなあ。可愛い人もけっこういた。今この時、都営住宅の一室であの人がはぜの甘露煮なんかをぽつりぽつりと人形アニメ風に食べているのを想像すると、なんだか楽しいなあ。私はロリコンの正反対の地点にまで来てしまったのか。