奥成達さんとラジオ

3月から詩人の奥成達さんとラジオの番組を作ることに決めた。
友人の画家dが今、赤塚不二夫さんについて考えている。赤塚氏の漫画を見ることによって、日本の美術という制度のあり方、さらに自分が絵を描くことについて考えようとしている。その影響もあって、深夜、一人でニャロメの絵を描いたり、赤塚氏が活躍していた時代のことを考えていたのだが、やっぱり直接60〜70年代のポップカルチャーの人たちと会いたくなってしまった。60〜70年代モノは、複製芸術にはなりきれないところが強くあって、直接一緒に遊ぶと、独特な輝きを増す。


ラジオ番組のテーマは、ずばり本。
書物をサカナにして、葉山周辺の遊び、大人の遊び(!)に分け入っていくというもの。
打ち合わせをしに、先日、奥成さん宅を訪問。とにかくスピードの人である。一言いうとものすぐ適格な答が超スピードでもどってくる。「番組で扱う本のテーマを1週間後に集めます」というと、「1週間後、そんなのダサイよ」という顔をして、次の日にはテーマをいっぱい書いたFAXが送られてくる。
会っている最中、ビートルズが映画の中で走っている姿、その軽快な走りの映像が何度も頭をよぎる。60〜70年代文化がもっている本質的な若さが、今ここにある。まだまだある! 現役で走っている電気機関車をみる鉄チャンの気分。ドキドキドキドキ。奥成さんはこうやって、あれだけの仕事をしてきたのだな。夜更けのバー、「そのアイデア面白いよ、今から出版社に電話しとくから、それで1冊つくってしまおう!」と奥成さんがいい、たくさんの雑誌や本ができあがってきたという、出版都市伝説は、本当だったのだ。ドキドキドキドキ。


しかし私は、ぜんぜんビートルズなどではなく、デュアン・オールマンとかデレク&ドミノズとか別に好きではないのですが、実にレイドバックしている存在であることが打ち合わせ時に発覚。小さい頃、屋上でシンナーをやりすぎたせいでしょうか、奥成さんと話している私は、相対的にほとんど中島らも晩年の受け答えという感じになっています。さらに番組を一緒にしてもらうことになったK嬢は、本に関連する仕事をしているにも関わらず、実は本をぜんぜん読んでいないことが打ち合わせ時に発覚。しかし、奥成さんが持ち出してくる本が、宮藤官九郎や久住兄弟モノだったりするので適当に形だけ受け答えができるという、悪循環がすでに打ち合わせ時にできあがっているという……。どんなラジオ番組になることやら。収録は来週。第一回のテーマは「日記本」になります。


このラジオ番組、NUSICで配信する予定ですが、放送局自体の機動力をつけようと、編集/配信も各自できるように決定。そのためGarageBand やはたまたXOOPSの勉強に! と思ったのだが先週は強烈なインフルエンザウイルスの侵入を許してしまってダウン。今週からまじめに取り組む予定です。


それから昨年から触れてきたビーチクリーンパンフ。製作に入り出しました。ADを今ジャマイカだ、沖縄だととびまわっているカリシュウ。それに画家dやミヨ画伯も入ったかなり濃〜い面子です。編集会議は、みんな存在感が強いので、そこが日本ではないよう。60年代型走りではない、2000年型の歩き方を見せるつもりですので、よろしく!