奥成2.0

奥成達さんとのラジオ「nusic books」第二回を少し編集しなおしてupしました。
寺山修司の家出について語るところの前にジングルを入れたのと、坪内祐三のストリートワイズの話のパートの最後の方を少し切り、西原理恵子の「ぼくんち」の話に入っていく前のジングルを変えてみました。始まってから36分40秒くらいの箇所とちょうど1時間目くらの箇所の変化です。非常に小さな変化ですが、全体のリズム感が変わったと自分では思っています。奥成2.0です。(Hさん、ありがとうね)
http://www.nusic.net/


実は、この第二回の録音の時に、(私にとっての)実験をやっています。ピチカートファイブの音楽を流しながら、奥成さんと話をするというものです。「大人になりましょう」という、沼田元気さん(昨年のチェコトークショーの際、久しぶりにお会いしました)のサウンドコラージュが核になって構成された曲です。題名の通り、大人になることをテーマの下に日本映画から台詞を集めて構成しているので(沼田さんの非常に素晴らしい仕事です)、石原慎太郎の『太陽の季節』のテーマと共振していくであろうということで、奥成さんと話をしているその時にかけたものです。


沼田元気によるサウンドコラージュで集められた日本映画の無数の俳優たちの声にからむ野宮真貴の歌声、小西康陽の音響、それをバックに奥成さんが、(サウンドコラージュの話になって)菊地成孔大友良英安藤昇の声を引用しながら演奏した時のことを語る瞬間。その瞬間の音響を録音することができ、それはそれは感動的だったのでした。


しかし、著作権に対する考えが、私の中でしっかりまとまらないこと。奥成さんが聴覚の調子があまりよくなく、音楽をかけながらの話がつらかったのではないかという思いがあって、その部分は、カットしてしまったのでした。(今回の奥成2.0でも、入れていません)


最近聞く音楽は、EMMAやFPM、DJ MARBOなどクラブミュージックばかり。
今まで触れてなかった世界なので新鮮な体験なのですが、一方で、こうした音楽のワンパターンさは、世界の音響の豊かさに対する感度を鈍くさせるなという思いがあり、人の話声に注意深くあろうと思っている今日このごろです。美術館モノは今、粗編集、テーマ音楽の発注中の段階ですが、nusis books第三回の収録を考えはじめました。編集も自分でできるようにして、会話の音響的可能性にせまっていければと思っています。


それから、先日書いた戦後週刊誌モノを読んでから、その方向への興味はますますわき、来月、女性セブン、週刊ポストなどに関わっていた元編集者の方に会ってもらうことにしました。横浜中華街での食事会です。さまざまな話が出るでしょうが、私は沖山秀子や青山ミチが登場した「衝撃の告白シリーズ」などについて、話が聞ければいいなと思っています。


あっ、それから、来週、渚ですね。行きたいと考えています。