枝川公一/テレビ/喰始

ブログを一月以上も書かなかった。その間はいろいろなことをした。9月11日は、神保町の東京堂書店倉本四郎をめぐるトークショーを行った。松山巌さんや枝川公一さんと司会者として話をした。松山さんとは何度かお会いし、そのキャラクターに魅了されてきたが、久しぶりにお会いした枝川さんの存在にはまいった。人が少しだけ老境の域に入ってきた時に起こる、体のゆるみ、言葉の浮力の変化、ユーモラスな空気感が、すべてよいように効果をあげて、今の枝川公一さんをとても魅力的な人としている。編集者は、今の枝川公一さんに実際に会うべきだと思います。とても豊かな世界が体験できるはず。また、これからの枝川さんの中で、蓄積された都市体験が、どう発酵されてくるのか、とてもとても楽しみだ。

さて私のことだが、最近はテレビのバラエティ番組の構成者の仕事をしだした。台本を書くばかりだけでなく、台本が書けない構成作家の役や、女性タレントにパシリとして使われる構成作家の役で、テレビに登場している。
なんでこんなことを突然しだしたのか? いわない。ちょっと考えていることがあるんだ。
10月4日、友人であるアートディレクターの大久保裕文さんらが主催した高平哲郎さんのトークショーが古書ほうろうであった。高平さんは、雑誌『ワンダーランド』発行の頃のことを語った。客として高平さんの友人が多くこられていた。その中にワハハ本舗喰始さんがおられた。最近、構成台本を書いて、テレビに出ている(みなさん、CSの片隅ですからね)と話したら、喰さんは「テレビの構成作家は、企画会議に出てアイデアを出し、ぜったい台本を書かないで、その代わりに出演するのが一番」といっておられた。確かにそういうものだろう。その線でいこうか。
喰始さんには初めて会った。ロバート・クラムのコミックの登場人物のようだった。ああいうラインが現実として人体や服装になっているのが不思議だ。いっぺんで魅了されてしまった。そしてとても文化的で、やさしい雰囲気があって、好きになってしまった。ワハハ本舗、今度、見に行こう!