携帯の光のアフリカ

東京湾岸。大田区平和島のもっと向こう、京浜島は倉庫や工場が立ち並ぶ地域だ。そのあたりを走るバスに夕方から夜、揺られていると、かなりの数の黒人たちが乗り込んでくる。仕事帰りの人々だ。橋を渡るバスの窓の向こうには京浜運河の闇があり、その手前に静かに黙り込む黒人の姿。
事情通に聞いてみると、ガーナ、コートジボワールカメルーンなどの国名が出てきた。アフリカからやってきた黒人たちだ。


ここで初めて見た。
携帯の光が照らす黒人の女の子の顔のラインや肌の陰りの質感を。
携帯の光って黒人の娘に、とても似合うね。大田区の工場地帯で発見できた俺が嬉しい。


京浜島の食品工場でイスラム教のガーナ人が豚肉を大量に調理している、歌舞伎町でナイジェリア人が酔っぱらいをぼったくりバーに連れ込んでいる東京が見えてきた。


いいラインをつかんだ。このあたりは、また話す日がきっとくるだろう。