「Don't walk on the cat side」について

そうだ、音楽。番組のジングルを作っていただいた、OKIDOKIの「Don't walk on the cat side」(BAKAMO RECORDS)を送ってもらった。ありがとうございます。

音で人の頭の中を汚さない、リズムで人の体をもっていかない。しかし孤立しないで複数で演奏する。そういった音楽を構想すると、ある音質を共有した少数の音楽家仲間たちとの即興が方法として選びとられると思う。それを生演奏ではなくて、CDにパッケージして、人の家に運びいれていくには、人のテリトリーを乱さないという、音楽家にとってはやや難しい配慮が必要になる。しかし、その配慮をもった作業が貫徹されなければ、先述した方向性を目指す即興音楽のパッケージ化は意味を失ってしまう。このアルバムは、その作業の工程をしっかり通って私の家に運ばれてきたことがわかる。
「Don't walk on the cat side」にはタイトル通りの倫理観があり、聞く者はそれぞれの確保した道を歩いていける(具体的にはこの音楽を流すオーディオ装置周辺の清浄な空気。これは大切な指標だ)。猫道というくらいだからそれは繊細だ。その細いがどこへでも遠くへいく道筋を、臼井のギター音がシャープに示すところが最高の聞きどころかな。


さて、『nusic books』である。自分がもっていく本は何にしようか? 藤田敏八の映画に出てくる、少し情けない海辺(「赤ちょうちん」や「妹」なんか)について話をしたいのだけれど、このあたりのことを語れる本なんてあるのだろうか。そうだ、新しくなった逗子図書館に今日でも行ってみよう。